マスクマップをどうやって作ったか

オードリー・タン『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)
オードリー・タン『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)撮影=熊谷俊之

マスクマップができるきっかけは、台湾南部に住む一人の市民が、近隣店舗のマスク在庫状況を調べて地図アプリで公開したことから始まりました。私はそれをチャットアプリ「Slack(スラック)」で知りました。政府の情報公開やデジタル化を推進するスラック上のチャンネルには、8000人以上のシビックハッカー(政府が公開したデータを活用してアプリやサービスを開発する市井のプログラマー)が参加しており、コロナ対策に限っても、当時500人以上のシビックハッカーがいました。

私がマスクマップを作ることを提案し、行政がマスクの流通・在庫データを一般公開すると、シビックハッカーたちが協力して、どこの店舗にどれだけのマスクの在庫があるかがリアルタイムでわかる地図アプリを次々に開発しました。これによって、誰もが安心して効率的にマスクを購入できるようになったのです。

このような経緯で、台湾における新型コロナウイルス感染症防止の重要なポイントだったマスク対策は成功を収めることができたのです。

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