ニッチな領域の研究者がわんさか集まった
これがおもしろいのなんので、あるときなどは、カラス研究者2人が参加し、「おお! 来ていたのか! あと1人来れば、全員揃うな」と、ニッチな領域の専門家がわんさか集ってしまったのだ。他に火山学者、理論物理学者、生物学者といった学者連中もいたし、飛驒高山の瓦屋3代目でなぜかわからないけれど無人島ビジネスをやっている方がいたりと、役者に事欠かない会となった。
そういえば、伊勢で一番古く、戦国時代創業の餅屋の当主も来ていた。東北大で微生物を学んだこともあって、酵母を扱えるからと、いきなりビール会社をはじめて世界中のクラフトビールを飲み歩いていたら、グローバルなコンペの審査員になってしまったという人間だ。
会のタイトル通り「何が起こるかわからない」そんな集まりとなった(パルプンテとは、ドラクエの何が起こるかわからない魔法の名前だ)。あとは、重めのノンフィクションを担当している編集者も多く、プロフィールのばらばら加減には我ながら驚いた。結果、メンバー同士が仲良くなり、さまざまなプロジェクトが生まれ、この集いから新刊が4冊、会社も4つできたと聞いている。
SNSでは悪口をいわない、専門家ぶらない、批判しない
実は、そうしたつながりをつくるのに一役買っているのが、フェイスブックだ。これは断言できるが、私がそうしたツールを使って発信していない限り、150人も奇人変人を集めることはできない。
なぜフェイスブックがよいかというと、単純にメールや手紙、電話が面倒だからだ。フェイスブックであれば、すぐにメッセージが送れるし、何かのグループをつくりたいときも即座にできる。
もちろん、フェイスブックをやっていない人と出会う可能性をゼロにしてしまっているが、もし分子生物学者が日本に400人いるとしたら、400人全員と知り合いになる必要はない。
カラスの学者はたまたま3人ともフェイスブックにいたが、たとえば日本に40人くらいいる火山学者でフェイスブックを使用しているのは10人くらいだとしても、10人と知り合えれば十分だ。餅屋も日本中に何千軒もあるのだから、全員とつながろうと考えるのにはそもそも無理がある。
フェイスブックやnoteに定期的に投稿することも重要だ。まず、まともな発信をしている人だと認識してもらう必要があるからだ。たとえば、極度に保守的であったり、人の悪口をいっている人は他のメンバーの悪口をいう可能性があるからダメだ。ある程度知的でありながら、専門家ぶらない。そして、批判ではなく、基本的に褒めることしか書かない。
そうしたことに気をつけていれば、大抵の人は「この人は大丈夫そうだ」と判断してくれる。