大きな仕事を任されたり、初めての仕事に取り組んだりするときは、誰もが不安になるもの。世界の科学的な研究から、不安を味方につけてパフォーマンスを3割増しにするとても簡単な方法を紹介します——。

※本稿は堀田秀吾『図解ストレス解消大全』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

専門家によるセミナー
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心配は度が過ぎると強迫性障害に

不安は生存競争を勝ち抜くための武器とは言えど、心配性の傾向がある人は、何かと生きづらさを感じがちなもの。

「ああなったらどうしよう? こうなったら?」という不安に駆られてどんどん行動が制限されてしまいます。そして、度が過ぎると「強迫性障害」になってしまったりするので注意が必要です。

どうすれば心配しすぎず、生きづらさを緩和できるのでしょうか?

千葉大学の石川亮太郎らが、加害恐怖(他人に危害を加えてしまうのではないかと自分を追い込んでしまう症状)のある患者に対して行った、強迫性障害の認知行動療法の例があります。

不安な要素を段階的に解消していく

とある男性は友人の家から帰宅する際、「肩がけのカバンなどがガスコンロに触れてしまい、点火させ、自分のせいで火事になってしまう」という強迫観念があり、しつこいほど火の元の確認をしていたそうです。

そこで、石川らはこの男性と一緒に、本当に肩がけのカバンだけで点火できるのかを検証するため、実際に肩がけカバンでガスコンロに触れる実験を行いました。そして、ガスコンロのスイッチは固く、カバンをぶつけたり、押しつけても点火しないことを一緒に実証しました。

この結果から、男性は徐々に、友人宅に行っても火の元を確認せずに帰宅することができるようになりました。

不安な要素を、実際の体験などを通して段階的に解消していくことで、最終的にはあまり気にならなくなる──。

この事例は、“やっても意外と平気だった”という経験を積んでいくことが有効であることを示しています。