老後資金なら貯蓄性保険より「確定拠出年金」「つみたてNISA」

いくつか代案もあります。老後資金準備なら「確定拠出年金」を優先すると良いはずです。税制面での優遇措置など、保険より利点が多いからです。

後田亨、永田宏『いらない保険』(講談社+α新書)
後田亨、永田宏『いらない保険』(講談社+α新書)

お金を動かしやすいことを重視するなら「つみたてNISA」も検討に値すると思います。手数料が安い投資信託がそろっています。

リスクを取りたくない人は「個人向け国債(変動金利型10年満期)」が良いでしょう。最低保証利率は預金より高く、金利の上昇にもある程度ついていける利点があります。

それから、まとまったお金がある人は、無理に運用しなくても良いかもしれません。保険に限らず、金融機関などから勧められる商品は「先方の取り分が多いのだろう」と警戒してほしいと思います。

「不安」に付け込まれないことが失敗しないコツ

総じて、生命保険の見直しに関して、一般の方に求めたいのは「常識」による判断です。老後の医療・介護など「ひとごととは思えない事態」に備える場合、安い保険料で大きな保障を持てるわけがありません

先のことは誰にもわからないので、遠い将来のリスクや環境にも最適な「一生涯安心できる保険」が現存するはずもありません。仮に「安全確実に大きくお金を増やせる方法」があれば、一般の個人ではなく、企業などに売り込まれるでしょう。

相談にしても、「営業担当者などとは『利益相反』だから、有識者に有料で相談するほうが無難だろう」と想像できないでしょうか。

生命保険の利用がふさわしいのは、現役世代の急死など「まれに起こる重大事」なのです。不安喚起情報に流されず、常識で考えると、保険の見直しはうまくいくと思います。

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