新型コロナウイルスの感染者が全国的に急速に増加している。「いざ」というときに備えて気になるのが「保険」だ。著書『いらない保険』(講談社+α新書)が現在8刷と話題のオフィスバトン「保険相談室」代表・後田亨氏が、保険の種類ごとに「適正化」するためのプロの知識とノウハウを公開する。(第2回/全2回)

生命保険は「自動車保険のように」考えよう

「自動車保険がお手本です」

生命保険の見直しや新規加入を検討中の方に、私はたびたび自動車保険の加入例をお話します。「自分で払える金額は保険に頼らない」という考え方を共有するためです。

自動車保険では、大半の人が「賠償責任」の保険金額に上限を設けず、無制限で加入します。一方、中古の車を買い替えても数十万円程度の場合など、「車両保険」には加入しません。車両保険に入るとしても、10万円くらいまでの費用は自己負担することにして保険料を抑えます。生命保険で「日帰り入院でも5万円もらえる保険」を選ぶ例などとは対照的です。

自動車保険の加入法に倣うと検討すべき保険は限られてきます。自立していない子どもがいる世帯主が、一定期間、死亡保障を持つくらいでしょう。商品では、万が一の際、毎月一定額の保険金が給付される「収入保障保険」が利用しやすいと思います。

自宅で節約を楽しむ男性とブタ型の貯金箱
写真=iStock.com/Khanisorn Chaokla
※写真はイメージです

勤務先の「団体保険」は有力な選択肢

保険ショップなどで、複数の商品を比較し、保険料が安いものを選ぶと良いはずです。保険料と保険金の差こそが、保険の本質的な価値に違いないからです。

大手企業などに勤務している人は、個人向けより安価な勤務先の「団体保険」も有力な選択肢です。

病気やけがで、長期間、仕事に就けない状態が続く時、所得を補塡ほてんできる「就業不能保険」も気になりますが、死亡保険より優先順位は下がると思います。