機内に入れば機長の指示は絶対
今年9月に日本で相次いだ、コロナ対策としてのマスク着用を拒否した乗客が飛行機を降ろされたケースも、報道された内容を見る限りは「マスク非着用」そのものより、乗機してから客室乗務員の要請を拒否し続けたことが、安全運航を阻害する行為と判断された結果と思えます。
航空会社側が要請するマスクを着用しての搭乗が、何らかの理由で難しい場合は、搭乗前にその旨を相談すれば、他の乗客から離れた席を確保するなどの手配が可能だったかもしれません。航空会社側がマスク着用の必要性を事前にしっかり告知していたかどうかもポイントだとは思いますが、いずれにせよ機内に入ってしまえば、機長の指示は絶対です。ちなみに、アメリカの航空会社6社は、機内でのマスク着用義務に違反したとして、これまでに1500人近い乗客の搭乗を拒否したそうです(*2)。
国際線の運航がコロナ禍以前の状況に復旧するまではまだまだ時間がかかりそうですが、日本国内についてはGo Toキャンペーンなどで飛行機に乗る機会が次第に増えてくるかと思います。パイロットや客室乗務員、地上スタッフの安全運航のための努力を、少し頭の隅にとどめておいていただければ幸いです。
(*1)“Unruly and Disruptive Passenger Incidents“, IATA(PDF)
(*2)“Airlines Have Rules About Face Masks—That’s Not Always Enough” by Scott McCartney, Wall Street Journal 21 Oct. 2020