夫婦でリモートワークなら、母親だけに任せない

中学受験は子供がまだ小学生で幼いため、親のサポートが必要だ。一般的には母親がそのサポートを担っているケースが多い。だが、近年は共働き家庭が多く、母親も忙しい。夫婦共にリモートワークなのに、父親は部屋にこもって仕事をし、母親は家事と子供の勉強のサポートに追われる。そんな不公平に不満を募らせる母親は多い。そのストレスで子供にあたり、受験勉強がうまくいっていない家庭もある。

中学受験に両親が熱心過ぎるのも子供には負担だが、夫婦共にリモートワークであれば、これまであまり受験勉強に介入していなかったお父さんも、わが子の勉強を気にかけてあげてほしい。ただ、気をつけるべきことがある。

子供のできていないところばかりに目を向けてしまうと、かえってうまくいかなくなる。気になること、言いたいことはたくさんあるとは思うが、そこは言葉を選んでほしい。子供に何か伝えたいときは、「こんなんじゃ合格できないぞ!」とダメ出しをするのではなく、「もう少しこうしたら、もっと良くなるんじゃないかな」とアドバイスをする。そうやって、言葉を言い換えて伝えることが大事だ。

親が感情的になってしまうと、中学受験はうまくいかない。どうしても抑えきれないというのなら、子供の勉強にはできる限り関わらず、家事を手伝い、母親のねぎらい役に徹したほうがいい。

コロナは「親が仕事をする姿」を見せるチャンス

コロナは私たちの生活を大きく変えた。1年前、自分が家で仕事をしている姿を想像できただろうか? コロナでできなくなったこと、思うようにいかなくなったことは誰にでもあるだろう。だが、コロナのおかげで良かったこともある。それは、親の働く姿を見せられるようになったことだ。

子供たちと一緒に在宅で仕事をする父親
写真=iStock.com/kohei_hara
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今の子供たちは自分の親が社会でどのように仕事をしているか見る機会があまりない。今までは家に帰って来てダラダラしているお父さん、ママ友とおしゃべりばかりしているお母さんしか見ていないという子供もいるだろう。

親がリモートワークになったことで、「お父さんがあんなに真剣に話しているのを初めてみた!」「お母さんがバリバリ働いていてカッコイイ!」など、家庭とは違う一面を見ることができた。これは、子供にとってはとても貴重な体験だ。