地方移住は「閉鎖性」に注意

住む場所に関しても、ステイホームは新たな発見をもたらしました。テレワークが可能であること、そして、都市は感染リスクが高いという事実に気がついたことにより、「地方住まい」という選択肢がクローズアップされています。

家で仕事ができるならば、東京にこだわる必要はありません。むしろ、地方のほうが地価も安く自然も豊かで、快適な暮らしができます。都市部の小さな家で自分のワークスペースも持てないより、地方で部屋数の多い家に住むほうがいいでしょう。

ただし、地方移住は失敗もあります。都会が物理的に密であるのに対し、地方は精神的に密な社会。外から入り込むのは大変ですし、入ったら入ったで、様々なしがらみがあるでしょう。

ですから、地方に移住するなら、なんらかの縁のある場所を選ぶのがいいと思います。自分の実家や配偶者の実家のある場所、もしくはその近くなら安心です。

閉鎖的ではない地方という選択肢もある

そうした場所がなければ、「閉鎖的ではない地方」という選択肢もあります。首都圏に近い場所だと湘南や房総半島、さらに範囲を広げれば軽井沢、那須、越後湯沢、甲府、箱根、熱海などなど、豊かな自然環境と都会と共通した気風を併せ持つ地方は多々あります。

ちなみに、私も新型コロナウイルスの流行をきっかけに湘南に転居しました。海の見える家に住み、ペットをかわいがり、家庭菜園を楽しむ毎日です。

プランターからロメインレタスを摘んで作ったサラダ、自分で焼いたパン、栽培キットで育てたシイタケのバター醬油焼き、いずれもすこぶる美味。これまでとはまったく別種の豊かさを満喫しています。

バルコニー
写真=iStock.com/Michel VIARD
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