勝つためにはもっとずる賢いプレーを基本に入れるべき

南米の子どもであれば、「あの審判はあまり笛を吹かないから、ガッツリいっちゃおうぜ!」などといった会話が聞こえてきます。でも、日本ではそのような光景はあまり見ることはありません。

稲若健志『世界を変えてやれ! プロサッカー選手を夢見る子どもたちのために僕ができること』(東洋館出版社 )
稲若健志『世界を変えてやれ! プロサッカー選手を夢見る子どもたちのために僕ができること』(東洋館出版社)

これがたとえば、学校であれば「あの先生は怖くないから、この授業はサボっても大丈夫だな」などと先生によって態度を変えて力を入れたり抜いたりすることができるでしょう。もちろん、良いことではないですよ(笑)。でも、サッカーでは「あの審判は全然ファウルをとらないからガッツリいっちゃおうぜ」という会話は試合に勝つために非常に大事なのです。

そういう意味で、南米における“基本”に含まれるものは非常に広いのです。

「あの審判は走るのが遅いから、ここまで行けばオフサイドをとられないぞ」
「今日はあいつか。あいつはすごくファウルを取るから気をつけようぜ」

これが南米の子どもたちが試合前に交わす会話です。

つまり、日本でも試合を勝ちに行くために、もっとずる賢いプレーを“基本”の中に入れて当たり前にしないといけないと思います。学校の授業であれば、算数、理科、社会、国語、英語。サッカーであれば、パス、シュート、そしてマリーシア、といったように。

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