最も元気なのが物流系。楽天やアマゾンの業績は今後も見通しが明るい。ホテルは稼働率が壊滅的に低く、大打撃でしばらくは投資が行われないだろうが、そうした立地は新築マンション用地がホテルに奪われてきた経緯があり、新築マンション用地としてカバーされるだろう。

都心から1~1.5時間のベッドタウンがより弱くなる

住宅市場に話を戻そう。今後は自治体間格差にも注目したい。今後都市間、自治体間の格差が開くのは必至だ。

シカゴ近郊の住宅街を空撮
写真=iStock.com/pics721
※写真はイメージです

各自治体の財政に大きな開きがあり、預金を切り崩している自治体も相当数あり、今後数年で枯渇するところも。すると行政サービスを縮小するなどの格差が顕在化するだろう。したがって、今後の住宅選びは自治体の経営力が観点になるはずだ。首都圏でいえば、かつてベッドタウンと呼ばれた、都心から30~40キロ圏内、自宅からオフィスまで1~1.5時間といった、国道16号線の外側がより弱くなるだろう。

自治体の災害対応も見逃せない。例えば災害可能性のないエリアに人を寄せていく施策を打ち、自治体のコストをコンパクトにし行政効率を高めるなど、経営的な観点が求められる。拍車をかけるのは、金融との連動で、すでに火災保険や水害保険の世界では、大手損保は災害可能性の有無によって保険料に格差をつけるよう転換した。これが金融機関の不動産担保評価に適用されれば、その格差は決定的になろう。

【関連記事】
タワマン上層階の子「成績は低迷」の理由
タワマンを買えない30代に伝えたい「新築戸建て」購入の必須条件
荻原博子「もし住宅ローンが返せなくても、絶対にやってはいけないこと」
タワマン億ションを即決購入する「パワーカップル」の落とし穴
コロナショックでも「首都圏タワマンは安全資産」と言い切れる理由