その背景には、政治や社会構造のシステムに対する若者たちの強い不信感がある。特にトランプ政権の4年間、環境保護対策は大きく後退し、人種間の軋轢が高まったことに強い危機感を持っている。政府には頼れない、お金儲けだけに走っている経済システムも信用できない――こうした中で、自分たちが消費で社会をもっとサステナブルなものに変えようというミレニアル・Z世代のムーブメントが起きている。ポリティカル・コンシューマリズムだ。
有権者の37%を占める彼らが投票すれば、トランプの落選は間違いないだろう。ただ、実は彼らが投票したいのは、こうした彼らの意図を政策でもくみ取ってくれる候補者であり、トランプはもちろん、バイデンでさえもこの点において彼らの支持を集めているとは言い難い。
政策論争がまともに行われない中…
また、若者は二極化した政治をとても嫌ってもいる。リベラルや革新的な考え方が強い世代ではあるが、必ずしも民主党支持ではないし、そういうレッテルを貼られるのを嫌がる傾向がある。
だから投票したくないという若者が多く、それが2016年のトランプ当選につながったという分析もある。つまりこの層が投票に行くかどうかで、大統領選の勝敗は決するのだ。
ファッションが若者に語りかける力は大きい。投票日が2週間後に迫っても政策論争がまともに行われない中、ブランドや有力政治家がファッションアイテムを通じて発するメッセージに注目したい。