クレジットカードの利用残高が60万円…で、現金管理に戻す

1回目の相談を受けた際、私は、こう言いました。

「クレジットカードの利用残高は、一時的とはいえ借金と同じなので、可能であれば貯金で完済し、電子マネーのカードの利用は暫定的にでもやめましょう」

つまり、再度結婚当初のように現金で管理して支出を把握していくことを勧めたのです。

便利さ、そしてポイント面での有利なことも多々ありましたが、一時的にでもお金の流れの分かりやすさを優先すべきだと思ったからです。再び支出のペースを体感し、感覚を取り戻していくことが先決という私の提案に、Gさんも納得し、再び現金でコントロールする方法に戻すことにしました。

この改革により、家計状況は改善し、子供の教育費も貯めていくことができました。

昨秋、浪費癖が再発した理由は、ポイントが付く「スマホ決済」

しかし昨年、妻の悪い癖が再発してしまいます。2019年10月の消費増税の影響で、スマホ決済がお得で便利だということがあちこちでアナウンスされました。

スマホ決済はスーパーやコンビニ、商店街などさまざまな場所で使えますし、ポイント還元率も高く、増税後は5%上乗せでポイントがつく。無駄に高額な支出をしなければ、むしろ家計への恩恵も大きいだろうとGさんには思え、これから先、お金を貯めていくためにもぜひ活用したいと考えました。

スマホで支払う若い女性
写真=iStock.com/Asia-Pacific Images Studio
※写真はイメージです

そろそろ妻の金銭管理も大丈夫だろう、そんな思いもありました。ですからGさん自身の判断で妻のスマホにスマホ決済アプリを設定し、自分のスマホにも設定しました。支出の把握をするために家計簿アプリを活用し、妻と支出を共有して確認できるようにもしました。

クレジットカードは以前失敗したので、銀行口座からチャージをして利用します。しばらくはうまく使うことができていると思ったのですが、昨年末に極端に支出が大きくなってしまいました。複数回のチャージと支払いの記録が家計簿アプリから見えたのですが、何かと物入りな年末年始だからしかたないと思い、そのままにしていました。

ところが、その後もチャージと支出のペースは“絶好調”。やはり、どうしても妻は浪費をしてしまうようなのです。「妻はまた逆戻りしてしまった」と感じたGさんは再び私の元を訪れました。