幻想②「対面でないと信頼関係が作れない」
これを信じている人は、非常に多いのではないかと思います。少なくとも一度は物理的に顔を合わせて話をしないと、信頼関係を作れないのではないか、と。
結論から言うと、対面でなくとも信頼関係は作れます。
そもそも信頼するかどうかは、相手ではなく、「こちら側の問題」です。まずは自分が「相手を信頼する」と決めること。リモートワークでのやりとりでは、それが欠かせないと思います。
キャスターの場合は、初めての顧客と新しいプロジェクトを始めるときにも、基本的には会いません。そのかわり、最初の1週間はとにかくコミュニケーションを増やすようにしています。
人間は、単純接触を繰り返しているうちに相手に親近感が持てるようになるもの。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した「単純接触効果(*)」でも知られていますね。
*ロバート・ザイアンスが1968年に発表した論文で提唱した心理法則で、好感度は接触回数に比例して高まるとする。「ザイアンスの法則」とも呼ばれる。
実際に会う、会わないではなく、プロジェクト開始後の接触回数のほうが業務への影響度が大きいと実感しています。
リモートワークが当たり前になるこれからの世の中では、一度も会ったことがない人を仲間に引き入れるという場面も増えていくはずです。そこで問われるようになるのは、「会わずに人を信頼する力」です。
幻想③「会わないとクリエイティブな仕事ができない」
何気ない雑談から新しいアイデアが生まれるのは、よくあることです。社員同士の偶発的な会話が生まれやすいように設計されたオフィスも、増えてきています。
では、対面して会っていないと、雑談はできないのでしょうか。キャスターの結論としては、「場所の問題ではない」です。
オンライン会議でもチャットのやりとりでも、雑談をする手段はいくらでも確保できます。「会わないとクリエイティブな仕事ができない」というのは、単純に、会うこと以外の方法に慣れていないだけではないかと思います。
キャスターの場合は、チャットを使って雨あられと雑談が繰り広げられています。オンラインゲームをしているような感覚で、チャットで次々と誰かに話しかけられることもあります。
イメージしていただきたいのは、オフィス空間によくある6人程度の島。みんなが席に着いているときには、業務関連の報告をしたり相談をしたり、他愛のない雑談をしたりと、いろいろな会話が繰り広げられていますよね。これを、リモートでもやっているだけです。
リモートワークになると業務の話しかしない人もいますが、それでは確かにクリエイティブなアイデアが生まれにくくなるかもしれません。
大切なのは、オフィスで繰り広げられていた会話をそのままオンライン上に持ち込むことです。