三菱自動車、ジェットスター、東芝など、9月に入って大手企業が次々に人員整理を発表している。自分の会社でリストラが始まったとき、どうすればいいのか。リストラ評論家の砂山擴三郎氏は「退職金を加算されても、絶対辞めてはいけない」と断言する。その理由とは――。

※本稿は、砂山擴三郎『今どきサラリーマンのためのリストラされずに会社にぶら下がる方法』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

リストラで落ち込みながらも机を片付けているビジネスマン
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あなたはそれでも辞めますか?

2回リストラを経験し、多くのリストラ退職者の再就職支援をしてきた私から言わせれば、会社の勧奨に応じて退職を決断するのはまったくの短慮に思える。「愚の骨頂」なのだ。

会社側の厳しいプレッシャーに抗しきれないこともあるだろう。こんな会社にいてもろくなことがない。倒産したら元も子もないし給料がカットされるのも確実だ。今なら退職金満額がさらに加算され、再就職支援サービスで次の仕事もみつけられそうだ。

だが、それでも退職することには賛成できない。じっと我慢し、リストラの大嵐をやり過ごすか跳ね返してほしい。業績不振は経営者の責任。そのために自分と家族の人生が犠牲にされることはない。まして、そんな会社に義理立てする筋合いはない。どうするかはもちろん、自己責任・自己判断になるが、考えるための材料を以下に提供したい。人生、我慢で得られる幸せもあるのだ。

理由1 リストラで会社は持ち直す

「大の虫を生かすために小の虫を殺す」の言葉がある。大の虫である会社を助けるため、小の虫である社員を犠牲にすることだ。犠牲にされた社員を踏み台に会社は生き残る。お荷物社員を辞めさせれば、利益が出ると考えるからリストラをする。そのために必要な巨額の資金も「数年で元が取れて回収できると判断するから」金融機関は資金を貸すのだ。

よく「リストラをする企業には未来はない」とか「リストラをした会社の末路は知れている」と言われるが、それは事実に反するまったく感情的なもので、実はリストラの先には「明るい未来がのぞめる」ことが多いのだ。