最後に積み立て投資についてです。積み立て投資は毎月、一定額を淡々と購入する投資法です。投資初心者でも、有望株を探し出す技術や売買のタイミングに迷う必要がない投資です。ここで、長期間の積み立て投資をした場合の効果を見てみましょう。たとえば、月3万円20年間の積み立て投資をした場合、利回りが年率3.14%を超えていれば1000万円貯まることになります。もし、同じ条件で投資期間を30年とすると、月々1万6000円で約950万円貯まることになります。

ちなみに、年率3%で40年間、月2万円の積み立て投資をした場合、1850万円ほど貯まることになります。これを0に限りなく近いような低い利率で銀行に貯金していても960万円しかたまらないので、資産は倍増することになります。

毎月2万円を40年間積み立てると……3%の運用で2倍、7%の運用で5倍、預貯金より多くなる!

老後の資産形成を考えた場合、積み立て投資は早くスタートすればするほど「時間を味方」にすることができます。少額投資で低リスク商品への投資を、早めに始めることで、リスクを抑えつつ、長期投資の効果を得ることができるのです。

地道な積み立てで、お金に埋もれて死ねる

さてこうした、長期・分散・積み立て投資は国も推奨しています。19年に老後資金2000万円問題が話題となりましたが、発端となった金融審議会の報告書でも長期・分散・積み立ての重要性が強調されています。

そんな中、国が整えている制度が、「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」です。どちらも、投資信託を積み立てて、運用益が非課税となるメリットがあります。この2つの運用が老後の資産形成の最強の組み合わせになります。

つみたてNISAとiDeCo、どっちがオトクだ!

通常、投資信託の運用益には、20.315%の税金がかかります。たとえば、株の取引で300万円の運用益が出た場合、約60万円の税金がとられてしまいますが、いずれかの制度であれば、この60万円は手元に残ることになります。税制優遇を使わない手はないでしょう。

つみたてNISAは「つみたて」と付いているように、長期にわたってコツコツ運用することが前提です。「最大20年の長期の非課税期間にわたって積み立て投資」ができます。年間投資上限は40万円で、非課税期間の運用額の合計は最大800万円となります。

つみたてNISAで購入できる投資信託は、購入時の手数料がかからないだけではなく、信託報酬が低めのものが国の基準によって選ばれています。低コストで運用できるため、少額から運用を始めたい投資ビギナーにとっては非常に安心でしょう。