MBAよりもアルバイトのほうが成長できる
ここまで読んで、「本業があるのにバイトなんて無理」「バイトする時間もないし、体力もない」と感じた方は多いと思います。
でも、休日にビジネススクールに通っている人、いますよね? 趣味の習い事をしたり、セミナーやワークショップに行くこともありますよね?
そもそもMBAのビジネススクールに通うより、よっぽどアルバイトのほうが成長できると思います。もちろん、広く浅く知識を身に付けたいならよいのですが、今の仕事に即したすぐ役立つ知識や経験はMBAではなかなか得られないでしょう。
僕のレストランの課題は生産性と仕組み化でしたので、「より良い方向に変化し続ける」ために、その点で最高峰のサイゼリヤでバイトをしました。
そこで学んだことをレストランに取り入れたら、生産性が約3.7倍になって増益。スタッフの給料が上がったことはもちろん、バイトでお小遣いももらえちゃいました。本当に、いいことずくめなんです。
星付きシェフの驕りと固定観念をバイトで手放す
僕がサイゼリヤでバイトをしていることを知ると、「なんでまた、そんな店で?」と反応する人は多くいます。それはサイゼリヤを下に見ている証拠です。ミシュランガイドに載るような高級レストランが上位にあり、サイゼリヤやガスト、すかいらーくなどが下位にある。それは価格帯の違いであって、飲食業としての本質はまったく変わりません。
その本質とは、「食で人を幸せにする」ただこの1点に尽きます。それは星付きレストランもサイゼリヤもまったく変わりません。
僕は星付きシェフの驕りや固定観念をバイトで手放すことができたんです。慢心や固定概念は成長を妨げ、判断を鈍らせます。
あとは、ただバイトであるということで下に見られることもあります。正社員が上位にあり、アルバイトが下位にある。
バイトでは僕は一番の下っ端ですが、社会人としてある程度経験を積んだ人間が「下っ端になりきる」のは、ものすごく大変です。学生に注意されたら、それだけでカチンとくる人もいそうですね。
僕はバカだから、そんなシチュエーションすらも楽しんでいます。バカはムダなプライドがないから、「この子はすごいなぁ」なんて素直に物事を受け止められる。だからこそ、スポンジが水を吸収するように、すごい勢いで学べるんです。