彼らのプラグマティズムの中心には2つの重要な視点があった。

 その1。バスに適切な人を乗せる

適切な人々を適切なポジションに配置すれば、彼らを動機づけしなくても自発的に働く意欲を持つだろう。

 その2。事実を認識する

「意欲を失わせる最大の行動の1つは、いつわりの希望を与えることだ」とコリンズは『ビジョナリー・カンパニー2』に書いている。むろん、リーダーシップにはビジョンが必要だが、それは「同時に、真実を聞くことができる風土をつくり出すことでもある」。優良から偉大に飛躍した企業は偉大になるべくビジョンを持っていたが、「偉大ヘの過程を現実の冷厳な事実に合わせて練り直し続けた」。

ハネウェルの前会長兼CEO、ラリー・ボシディは、業界を革命的に改革しようと試みる代わりに、企業は事業を1段高いレベルに引き上げることに的を絞るべきだと信じている。「遠大な思想も、具体的な行動のステップへ結実させないかぎり、無意味である」と彼は新著『Execution』に書いている。「実行しなければ、画期的な思想も挫折し、学習は価値を生まず、人々はより高いゴールに到達できず、そして革命は道半ばで頓挫する」。

一方で、実行を戦術やマイクロマネジメント(事業の本質とは関係ない細かい管理)と混同してはならない。実行はビジョン設定や戦略的思考と同じくらい知的なチャレンジではあるが、それよりもずっと大胆さが必要とされる。

実践を、3つの個別プロセスの秩序正しい統合と考えるとわかりやすい。

[1] 戦略プロセス :次の段階へ到達するためのプランは何か。
 [2] 人材プロセス :だれがこの仕事を担い、彼らはどのような責任を負うか。
 [3] 実践プロセス :この戦略を実行する

には、どのような人材、生産、財的資源が必要か。

これら3つのプロセスの関係を見るとき、ありうる代案のすべてを注意深く考えてみよう。

不確定な時期において、企業はカリスマ的リーダーからの答えを求める傾向があるが、極めて大事なのは、こうした分析プロセスを忠実に守ることである、とクラナは言う。