外国人のほうが真面目に働く
「もうコンビニに日本人はいらないよ、人によっては考えるけどさ」
都心を中心に複数のコンビニを経営する60代男性オーナーの言葉に私は耳を疑った。別件の取材で地主など富裕層のコロナ禍に興味を持った私が、とあるオーナーズクラブで紹介され、移動の車中でいいならと応じてくれた。それにしてもコンビニバイトなんて万年人手不足のはず、この未曾有のコロナ禍、それ以前の古い情報のアップデートは常に必要だと身にしみる。少し前まで、日本人が来てくれないから外国人を雇っていたはずなのに、どういうことか。
「だって外国人は最低時給でも文句言わないし、どの国の子も真面目によく働いてくれる。日本人は怠け者が多いし文句ばかりだ」
言い草にカチンときた私はとっさに問いただした「あの、日本の方ですよね」と。オーナーが外国人の場合は別の私情もあるだろう、しかし彼はれっきとした日本人だった。
「もちろん日本人だよ、三代どころか江戸の昔からこの辺に住んでる。いや誤解されちゃ困るんだけど、全部が全部って言ってるわけじゃないんだよ、でもさ、コンビニのバイトに来る日本人って、この辺じゃろくな奴がいないんだよ、ずっと家に籠もってたような口も満足にきけない日本人なんかいらないし、身元の固い主婦の人とか学生さんとか来てもらいたいけどまあ来ない、年食ったフリーター雇うくらいなら外国人のほうがずっと優秀だよ」
べらんめえ交じりにベラベラとよくしゃべるオーナー。年食ったフリーターの何が問題なのか。口下手なのも人それぞれ事情がある。他人にとやかく言われるようなことではない。