SC協会が6月29日~7月8日にデベロッパー会員314社に実施したアンケート調査(回答73社/1168施設)によると、回答73社の96%が賃料の減免に応じており、固定賃料は20社、最低保障家賃は14社が減免し、減免率は50%以上60%未満が最も多かった。資金力のない中小の単館デベは減免に消極的だから、減免に応じたのは資金力のあるイオンモール、三井不動産などの大手デベや電鉄系・百貨店系デベ中心と推察される。

コロナによる打撃は米国と同じでも、わが国では商業施設デベの廃業や破綻はごく限られるはずだ。なぜなら、わが国の商業施設はテナントの売り上げを一定期間、預かって家賃や共益費を精算してからテナントに渡す「売上金預かり制」であり、米国の商業施設デベのように売り上げが激減したから家賃が入らなくなるという事態は起こらないからだ。

テナントに不利な仕組みになっている

日本では売上金から家賃を天引きされるテナントがデベに減免をお願いする構図だが、テナントが売上金を直接収納している米国では「売り上げが減っては払えません」とテナントが実力行使している。だから、資金繰りに窮して破綻する商業施設デベも出てくるが、わが国ではそんな事態は起こらず、テナント側だけが破綻に瀕することになる。

「売上金預かり制」では商業施設デベがテナントの売上金を預かって、月の前半の売り上げから固定の家賃や共益費を差し引いて月末に、後半の売り上げから歩合家賃や変動共益費を差し引いて翌月15日にテナントに振り込むのが一般的だ。よって、直接収納より22.5日、売上金の入金が遅れる。

加えて、キャッシュレス決済もデベがクレジットカード会社(アクワイアラ)と包括契約して手数料を上乗せするから、テナントが直接契約するより1.5~2.0%も高くなる。政府のキャッシュレス政策にコロナ感染を恐れての現金離れも加わってキャッシュレス決済比率が急上昇しているから、テナントの負担はさらに重くなる。