「結婚」に息苦しさを感じる女性たち
「仕事と友だちと趣味があれば、恋愛や結婚はいらないかも」
そんなふうに言う若い女性は多い。結婚したいと思う女性ももちろんいるし、「結婚しないの?」という圧力にめげて結婚しなければならないと思う女性もいる。だが、以前なら表明できなかった「結婚したくない」「ひとりでいるのが好き」という意見も堂々と言えるようになっているのだ。
2018年の厚労省・人口動態統計によると、男性の平均初婚年齢は31.1歳、女性は29.4歳となっている。統計を開始した1955年と比較すると、男性は4~5歳、女性は5~6歳も平均初婚年齢が高くなっている。だが、世界をみると、ヨーロッパでは男性35歳前後、女性33歳前後という国は少なくない。これはヨーロッパでは「男性が女性を扶養する」という考え方がもはやなくなっていること、事実婚が圧倒的に多いことなどがあげられるようだ。女性も仕事をして税金を払い、男女とも平等に仕事や育児をしやすいよう育児休暇や子どもへの手当も厚い。
日本ではまだまだ、男性が育休をとりづらいなど社会的整備ができていない。しかも男女の賃金格差も大きい。だから法律的な結婚へと押し出されることになってしまうのだが、それでもその「結婚」に息苦しさを感じる女性たちが増えているということだ。
好きな人でもずっと顔をつきあわせるのはストレスだ
そもそも、ひとり暮らしが長くなると他人と生活するのは至難の業。特に高い家賃のわりに狭い住居しかない都会では、いくら好きな人であっても顔をつきあわせることによるストレスは大変なものだ。これは外出自粛中にコロナ離婚、またその予備軍が激増したことでもわかる。妻のストレスの大半は夫によるものではないかと思うくらいだ。
女性たちは、自由に恋愛をする一方で、結婚すると「夫となった男性によるハラスメントがある」ことを、先輩たちを眺めながら知ってしまったのだろう。ましてや自分に経済力がなければ、夫に従うしかなくなる。だから仕事は手放さない。そうやって仕事をすればするほど、男社会の、そして男自身の矛盾やダブルスタンダードを体感していく。
それでも、生涯をともにしたいと思う男性が現れたとき、自分の精神的・物理的リスクを軽減するために、別居婚を選ぶようになったのではないだろうか。