今年の夏休みは帰省をしてもいいのか、悩む夫婦は少なくない。帰省をめぐる夫婦のすれ違いは、平常時でも離婚のきっかけになりうるものだ。夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は「夏休みの帰省をめぐり、夫婦間に波風が生じるケースが増えている」という――。
自宅のビデオ通話の娘を持つ母
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「コロナ離婚」は回避できた夫婦でも…

いまだ新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは立たないまま、世間は夏休みを迎えようとしている。例年の夏休みとは異なり、今年はコロナの影響で帰省をするか、先送りにするかを迷う夫婦も少なくない。

それぞれの家庭で新たな生活様式が定着しつつある今、「コロナ離婚」の第一波は回避できたものの、夏休みの帰省という課題が迫ってきたことにより、夫婦関係に再び波風が生じているケースも増えている。

コロナ禍での帰省をめぐり、夫婦関係に悩める妻たちからはこんな相談が寄せられている。

※登場人物のイニシャルと年齢は変えてあります

「年一回の帰省」が夫婦の落とし所だった

【CASE1】帰省したい夫としたくない妻に新たな問題が紛糾

「夫の実家に帰省せずに済んでラッキーだと喜んだのもつかの間、新たな問題が出てきて、この先どうしようか本気で悩んでいます」と暗い表情で話すのは東京都在住のN香さん(39歳)。5歳年下の夫と結婚したのは12年前。当初から、ひとり暮らしをしている義母とN香さんはギクシャクした関係だったという。

「ひとり息子の夫には、『大学を卒業したら地元で就職させるつもりだった』と聞かされたのは私との結婚が決まってから。そもそも、“5歳も年上の嫁”という私の存在にも不満だったようです」

子どもができてからも、義母とN香さんのギクシャクした関係は続いたまま。N香さんの育った東京と比べ、親戚づきあいやしきたりの違いなどをめぐり、何度もぶつかってはそのたびに夫が仲裁に入ることの繰り返しだった。

それでも、夫は自分の母親に会える機会を楽しみにしている様子だったので、ここ数年は年に一度は家族全員で帰省することにしていたN香さん。年に一度の帰省のタイミングは年末年始だったという。「子どもが小学生になってからは、『塾や習い事がありますので』と夏休みの帰省はすべてパス。子どもたちにお年玉がもらえるお正月だけ、短い滞在日程で帰省していました」。