帰省NGで急浮上した「同居話」

義母からN香さんのもとに電話があったのは先週のこと。「今年のお正月は来なくていいから。もちろん、夏休みもね」と。義母の住む小さな町は、住人のちょっとした変化でもうわさになりやすい地域。今のところコロナ感染者数も抑制できているため、万が一、N香さん一家が東京からウイルスを持ち込むようなことがあっては、「この町に住んでいられなくなる」とのこと。

事情を理解したN香さんは、帰省しないことを快諾。ところがその晩、帰宅した夫にその旨を報告したところ、「なんで、オレに黙ってそんな大事なことを決めるんだよ」と烈火のごとく怒りはじめたという。聞けば、夫はN香さんの想像以上に帰省することへの願望が強く、「この先何年も実家に帰れないなら、お母さんに東京に出てきてもらうから」と東京での同居話まで持ち出してきたのだった。N香さんいわく、「お義母さんとの同居は、どう考えてもうまくいくはずがありません。だったら、子どもたちをつれて私は実家に戻ろうかとさえ考えています」。

夫婦の会話は決裂、もう話し合いすらできない

【CASE2】帰省より家族旅行を優先させたい妻

「夏休みの予定については夫婦の間でもめ続け、結局まだ結論は出ていないまま。でももう話し合うことすら気まずい状態です」と苦笑するA菜さん(43歳)夫婦には、中学生の子どもがひとりいる。毎年夏休みは決まって夫が運転する車で夫の実家に3人で帰省し、2~3日滞在していた。

「今年はコロナの影響で、子どもの夏休みが2週間しかありません。その間にいろいろ済ませておきたい用事もそれぞれあり、家族3人の時間が持てるのはせいぜい3~4日間くらい。そんな貴重な家族の夏休みだからこそ、今年は夫の帰省ではなく家族旅行に行きたいと思ったんです」と話すA菜さん。

ところが、夫の主張は「貴重な夏休みだからこそ、帰省すべき」というものだった。「『秋冬に第2波、第3波がやってくるなら、今会っておかないと、いつ会えるかわかならいじゃないか』としつこく言い募る夫に対し、私もキレて『じゃあ、ひとりで帰ったらいいじゃない。私は子どもと旅行に行くわ』と言い返してしまった」。

結局、夏休みの過ごし方についての夫婦の会話はそこで決裂したまま今にいたるとのこと。当の子どもはというと、「夏休みくらい、ゆっくり家でゲームしたい」と話しているといいます。