レジリエンスのルール1 ポジティブな心のつぶやき
米海軍爆発物処理チームのリーダーにインタビューをした際に、リーダーの上官が海中で不発弾処理にあたっていたときの話を聞いた。その上官は海底にはまり込み、身動きできなくなった。次の瞬間、上官の頭に浮かんだことは何だったか?
「呼吸ができている。これはいいぞ。ほかにできそうなことは何だろう?」
つまり、「物ごとの明るい面を見る」という姿勢だ。
スティーブン・M・サウスウィックとデニス・S・チャーニーは、20年にわたって、困難な状況から回復する能力をもったレジリエントな人びとついて研究を行ってきた。ベトナム戦争で捕虜となった退役軍人や米軍特殊部隊の教官に加えて、深刻な疾患や虐待、トラウマなど壮絶な体験を克服した一般人にもインタビューを行った。
逆境から立ち直った人びとに共通して見られたものは何だったか? それは楽観主義だった。
レジリエンスのルール2 体力づくりをする
最もレジリエントな人びとは、体を強く保ってくれる良い運動習慣を持っている。このことは、サウスウィックとチャーニーの調査でも「運動による適度なストレスは、人生で困難に直面した際のストレス耐性を高めてくれる」と証明されている。
激しい有酸素運動をしているあいだ、「不安感受性」の高い人たちは、不安感が高まったときと同じ身体感覚(心拍数の増加、発汗、速い呼吸)に耐えることを強いられる。
精力的に有酸素運動を続ける者は、時間が経つにつれ、これらの症状が危険でないことがわかり、恐怖心が徐々に弱まっていくというのだ。