レジリエンスのルール3 ゲームに見立てる

さまざまな人から何度となくレジリエンスについての話を聞くうちに、あることに気がついた。共通するコンセプトの1つは、「ゲームに見立てる」だったのだ。

現実に向き合ってみても、今日の状況は日常生活というよりもはやSFに近い。何しろ排気弁つきのマスクを着けて歩きまわっているんだから。この際、現状を受けいれ、流れに順応してやっていこう。

ゲームが難しいからって、私たちは投げだすだろうか? むしろ逆で、嬉々として遊び続けるだろう。それがゲームの魔力だ。

そこで、この難局を不便・不自由な障害ではなく、テレビゲームでの挑戦と捉えてみてはどうか。あなたは家に閉じこめられたウスノロではない。食糧を求めて大惨事後の世界に立ち向かう勇士だ。

ばかげてる? そうかもしれない。でもこんなときだからこそ、途方もなくばかげたことだってやれる。

レジリエンスのルール4 ユーモアを忘れない

海軍特殊部隊シールズやレンジャー部隊、陸軍特殊部隊グリーンベレーと聞けば、アクション映画のヒーローよろしくストイックで気迫みなぎる姿を思い浮かべるかもしれない。

もちろん、彼らは真剣になるべきときはこのうえなく真剣だ。だが私がインタビューをする度に、彼らは口を揃えて言った。過酷を極めた状況を耐え抜いてこられたのは、ある不真面目なもののおかげだと——それは「笑い」だ。

米陸軍レンジャー連隊のジョー・アッシャーは、最も過酷と言われる訓練を乗り越えられたのは何のおかげだと言っただろう? 「いいかい? レンジャースクールで1日1回笑えたら、なんとかやり遂げられるんだ」。

ストレスへの対処法としてのユーモアの効能に関しては、数多くのエビデンスがある。退役軍人、がん患者、外科手術患者をそれぞれ対象とした研究によると、ストレスフルな状況での威圧感を軽減するためにユーモアが用いられると、人びとのレジリエンスやストレス耐性に効果をおよぼすことが明らかになった。