不況の影響で、再び「就職氷河期」に突入した就職戦線は、厳しさを増している。企業各社は採用人数を絞り込んだため、大学の厳しい選別が行われている。有力人事マンが採用の舞台裏を語り尽くす。
【サービス】東大といっても日本の大学自体のレベルが世界から見たら相当低い。国に守られた、がちがちのビジネスモデルの時代なら東大の学生もそれなりの価値はあるかもしれないが、今はそれほどの神通力もなくなっている。それに東大に入るのもかつてのような苦学生ではなく、ほとんどが年間所得の高い世帯の出身だ。逆にそうでないと入学できない環境になっている。奨学金をもらいつつ、働きながら育った苦学生なら馬力もあるだろうが、東大ではそんな学生は少なくなっている。
【電機】まだ日本国内では東大ブランドの価値は十分に通じる。たとえば東大何年卒、あるいは○○研究室出身といったことで、社会に幅広い人脈・ネットワークを形成しているのは確かだよ。これは企業社会に根強い人脈を持っている慶應大とも似ている。
【建設】とくに技術系のネットワークはすごいと感じることがある。たとえば日本地震学会というのがある。地震学の研究をしている大学はいくつかあるが、学会の中枢にいくには東大卒じゃないとダメなんだ。我々のようなビジネスでは、個人のお客様一人を相手にするのであれば、別にどこの大学出身かは関係なく、コミュニケーション力があるかないかで人物本位で採用する。しかし、地域再開発事業など大規模な開発案件を受注するには、行政や不動産ディベロッパーなどいろんな関係者が絡んでくる。そういうときには、東大工学部出身ということで話がスムーズにまとまる場合もある。そういう価値は今も決して廃れていない。
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(宇佐見利明=撮影)

