血税を使いながら、お粗末極まりない景気刺激策

今井尚哉たかや(61)という男がいる。肩書は内閣総理大臣補佐官。週刊ポストは安倍官邸の「陰の総理」と呼んでいるが、彼の肉声はほとんど聞こえてこない。今井の下にいる経済産業省の後輩、佐伯耕三秘書官は、週刊文春が「官邸の金正恩」と呼ばれていると書いている。

2020年夏の日に干しているアベノマスク
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一強といわれ、長期政権を続ける安倍首相を差し置いて、「陰の総理」がいるということは、安倍首相は単なるお飾りで、日本を動かしているのは今井補佐官ということか。だがいろいろな報道をつぶさに見てみると、しょせん虎の威を借る狐に過ぎないようである。

週刊誌報道によると、森友学園の国有地払い下げの経緯をまとめた文書を改ざんしろと命じたのも、ポスト安倍の有力候補になってきた菅官房長官をスキャンダルで潰しにかかったのも、酷評されたアベノマスクを配ったのも、電通と組んでコロナ対策事業のカネの中抜きをしたのも今井とその一味ということのようである。

極めつきは「Go To Travel キャンペーン」であろう。後で触れるが、国民の血税を湯水のように使ってお粗末極まりない景気刺激策を考え、地方の首長たちからも痛烈に批判されたのである。

朝日新聞(7月20日付)の世論調査では「Go To」に対して、22日から始めることに74%が反対している上、「開始時期や対象地域を決めるまでの安倍政権の一連の対応も『評価しない』が74%を占めた」。またコロナ感染拡大防止に向けて、安倍が「指導力を発揮していない」が66%、安倍内閣の支持率は33%だった。

今井程度の人間を安倍首相はなぜ重用しているのか。その疑問を解くカギは今井の経歴にあるようだ。