史実における秀長の妻「慶」とはどんな人物だったのか
「疑惑の花嫁」――。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の第13回(4月5日放送)は、副題がなんとも不穏である。
第12回「小谷城の再会」(3月29日放送)で、織田信長(小栗旬)から「嫁をとれ」と命じられた小一郎(のちの羽柴秀長、仲野太賀)は、指名された慶(吉岡里帆)との縁談を受け入れる。主命なのだから受け入れたのは当然だが、周囲からは心配の声が上がりはじめるようだ。
というのも慶は、もともと美濃(岐阜県南部)斎藤龍興(濱田龍臣)の重臣で「美濃三人衆」の1人に数えられながら、主君を見かぎって信長にくみした安藤守就(田中哲司)の娘。だから信長は、慶を事実上の人質として、小一郎に娶らせようというのだが、そこに花嫁への「疑惑」が浮上する。
斎藤家の重臣だった彼女の前夫は稲葉山城の戦いで討死したが、原因は慶の父の安藤守就が織田に寝返ったことにあり、寝返らせたのは小一郎だった。すると小一郎は、慶にとっては亡夫のかたきということになる。だから、復讐するために慶は小一郎に近づいたのではないか――。それが「疑惑」の中身だった。
だが、慶は小一郎と添い遂げるので、疑惑は疑惑にすぎないわけだが、それでは、史実の「慶」、すなわち秀長の妻は、どんな女性だったのだろうか。