PwC関係者から毎日のようにある「情報提供」の切実さ

6月29日に「『泥沼パワハラ』にフタをする大手監査法人と大手法律事務所の暗い結託」をプレジデントオンライン上に掲載した。

世界四大会計事務所の一角であるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の日本法人でパワハラが横行し、一人の女性社員に対して不当な降格や退職勧告、そしてついには解雇が突きつけられた。その過程で大手法律事務所の森・濱田松本の弁護士が中立を装ってこの女性社員から事情を聞き出すと、労働審判ではPwC側の弁護に回って女性を攻撃し始めた――という内容である。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の本社があるロンドンオフィスのエントランス
写真=iStock.com/NicolasMcComber
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の本社があるロンドンオフィスのエントランス

記事掲載を受けてPwCでは、社員に向けて「記事の内容は事実と大きく乖離があり、当グループの名誉を著しく棄損するものです。また、個人名を挙げての誹謗中傷など看過し難い内容も含まれており、大変遺憾です」とのメールを送信。7月7日には木村浩一郎代表も同様のメールを社内に向けて送信した。

さらにAさんの上司で、PwCグループのマーケティング部を統括する森下幸典パートナーは部内の会議で、筆者の記事が事実無根であること、(女性社員にパワハラを加えた)永妻恭彦ディレクターへの名誉棄損であること、Aさんはあらゆる職務規定違反をしたため当然の降格人事であったと発言。今後、自分自身の名前が報道される可能性もあるが、まったく会社的にも個人的にも問題にはしていない。会社が自分や永妻氏を処分する理由はひとつもないし、PwCは正しいことをしているので、安心して業務に励むようにと伝えたそうだ。前回記事ではその名に触れなかった森下氏が自らこうした説明をしたのだから、パワハラ問題の責任が誰にあるのか、語るに落ちるとはこのことだろう。

さらにPwCでは同じくパワハラ問題を報じようとした英国紙に対しても、この問題を記事にしないようプレッシャーをかけたと聞く。

無駄なことだ。

記事がこのサイトにアップロードされた直後から、筆者のSNSやプレジデントオンライン編集部には情報提供を申し出るPwC関係者からのアクセスが毎日のように寄せられており、到底隠しきれるとは思えないからだ。