「今日は何を勉強したの?」はダメな質問
ユダヤ人の子どもたちは、ユダヤ教の教典学習を通して、常識にとらわれず、物事を検証する思考方法を学びます。子どもがヘブライ聖書を読んでいると、教師は「何かおかしいところはないか?」と質問するそうです。普通、聖書は神聖なもので、疑ってかかるような対象ではないと思われがちですが、ユダヤ人は聖書さえも検証の対象になるのです。
学校から帰ってきた子どもに多くの親は「今日は何を勉強したの?」と聞きますが、ユダヤ人の親は「今日は何を質問したの?」と尋ねると言います。これは学校で先生の話をただ受け身的に聞いていればいいのでなく、子ども自身が自ら疑問を抱き、探求していく能動的な学習態度を育てるためです。わからないことがあったら質問することを習慣づけることで、学習の消化不良をなくすことができます。
子どもでも「自分の考えを主張する」ことは大切
また、ユダヤ人家庭では子どもが学校で学んできたことを両親の前で講義する習慣があるそうです。確かに、人に教えることで、自分の考えがまとまり、学習内容をより深く理解することができますね。人に説明するためには知識と理解を深めなければなりません。だから学校の授業を受けるときは真剣そのもの。わからないことがあれば迷わず質問するという「よい習慣」が身につくわけです。
グーグル創業者のラリー・ペイジに代表されるように、ユニークな発想の逸材を輩出してきた背景には、以上のような「常識を疑う家庭教育」があったのです。
ユダヤ人は家族でよく討論をします。もちろん親の価値観を押しつけるためではなく、一つの物事について、人それぞれ、さまざまな考えがあることを教えるためです。子どもの頃から議論慣れさせることで、自分の考えを主張すること、自分の意見を曲げないことの大切さを身につけることができます。討論は理屈で相手を打ち負かすことが目的ではなく、物事をよりよくするための知的なゲームであり、楽しむものだということをユダヤ人は家庭で教えるのです。