ユダヤ人が大切にするほとんどは「自己肯定感」につながる
ユダヤ人は家庭教育において、次の5つを子どもに伝えると言います。
2)自分の得意分野で優越するように努めること
3)全人格を向上させること
4)想像力を養うこと
5)生涯を通じて学ぶこと
これらは「自己肯定感を育てる」プロセスそのものです。子どもの個性を尊重し、「得意分野」を持たせることができれば、将来どんな道を目指そうとも、成功する確率が格段に高まるのです。
ユダヤ人は「世の中をよくするために勉強するんだ」と、子どもに学ぶことの目的を教え、高い志を持たせるそうです。そして、「学ぶのは楽しい」と実感させるために、家族全員で読書の時間を設けたり、家の外で社会体験をしたり、子どもの知的好奇心を刺激する子育てを実践しています。子どもの得意分野を見つけ、親がサポートしてあげると、子どもは自主的なやる気で物事に挑むようになるのです。
親から「勉強しなさい!」とうるさく言われて勉強するのと、自主的なやる気で勉強するのでは、成果がまるっきり違ってきます。親の仕事は、子どもに命令したり、子どもを叱りつけてコントロールすることではなく、子どもの知的好奇心を刺激し、自主的なやる気を引き出すことなのです。
「与える」ではなく「引き出す」育て方
ユダヤ人の親は概して子どもの行動に寛容です。周りから見ると「しつけがなってない!」と思う場面があるかもしれません。しかし、子どもが自らの意思で行動しているのであれば、親はそれを止めることはしません(もちろん生命の安全や周囲への迷惑を確認してですが)。子どもは自主的な行動を通して、時には成功し、時には失敗し、試行錯誤を積み重ね、自分の情熱を見つけていくのです。
ハリウッドの巨匠、スティーヴン・スピルバーグ監督は、子どもの頃、識字障害を抱えていたそうです(当時は認識されていませんでした)。勉強が苦手で、8ミリカメラに熱中していたスティーヴン少年を母親が叱ることはなかったと言います。母親は「あなたの悪いところは独創的すぎることね」と、その情熱を認め、温かく見守り続けてくれたそうです。
天才を生み出すユダヤ人は、「強制する」「与える」のではなく、子どもの好奇心や情熱を「引き出す」ことに注力しているのです。親が好奇心を刺激するような環境をつくり、子どもの情熱を見つけようと努力しているのです。そして、子どもの好奇心の芽が見つかったら、水を与え、栄養を与え、高いレベルに引き上げて「得意」にしてあげる。
これが実現できれば、子どもはその道で一流に育っていくことをユダヤ人は(長い歴史の経験から)知っているのです。