金正恩の実妹、金与正がカンカンだ!

嘲笑外交を繰り返す文大統領の就任後、握手を求められてきた北朝鮮側がボルトン氏の回顧録を読んでいるのかは不明だが、男女間に入る仲人ではあるまいし、双方に「相手が会いたがっている」とささやいていたとすれば、どこかの時点で話がチグハグになって当然だろう。2018年6月にシンガポール、2019年6月に板門店で開催された米朝首脳会談による成果は今のところ具体的に見えてはいない。

文大統領による「二枚舌」外交の欺瞞ぎまんを知るのは、他ならぬ同じ民族の北朝鮮なのかもしれない。最近では、金正恩朝鮮労働党委員長の実妹、金与正第一副部長がカンカンだ。その理由は多くのメディアが解説しているので省くが、北朝鮮は今月16日に南北共同連絡事務所を爆破し、南北軍事境界線付近への軍進出の動きを見せた。だが、その後は何だかよく分からないうちに振り上げた拳をおろしている。

「ドラえもん」の米軍に助けを求めることができる優越的地位

外務省担当の全国紙記者の1人は「北朝鮮と韓国は、高めのボールを最初に投げて相手を脅かし、ブラフを見抜かれると一転して落としどころを探るという点では同じやり方をする。原因はすべて相手のせいにするところも一緒だ。吉本新喜劇もびっくりのショーを見せられるのはいい加減飽きた」と語る。文大統領は6月25日の演説で「韓国の体制を北朝鮮に強要するつもりはない」「仲の良い隣人になるよう望む」と再びほほ笑み外交に舵を切ったが、軍事オプションをトランプ大統領との間で協議しておきながら、「右手で握手、左手で拳」の姿勢を持ち続けるハートはさすがとしか言いようがない。

韓国統計庁が発刊している「北韓の主要統計指標」によると、2016年の北朝鮮の国民総所得は韓国の45分の1にすぎない。北朝鮮の兵力は陸軍を中心に約130万人近くとされ、韓国軍は60万人以下ではあるが、いざとなれば「ドラえもん」役の米軍に助けを求めることができるという優越的地位にある。南北間には1972年の南北共同声明、1991年の南北基本合意書、2000年の南北共同宣言、2007年の南北首脳宣言、2018年の板門店宣言と平壌共同宣言―といった数々の「成果物」があるものの、いずれも時の大統領が形だけにこだわった結果が今も「火薬庫」であり続ける根源にあるとさえ思えてくる。