成田離婚という言葉思い出したコロナショック

いまでは死語となったが、かつて「成田離婚」という言葉が存在した。新婚ホヤホヤの2人が新婚旅行に向けて旅立ったものの、慣れぬ異国の空の下でトラブルが続出。「この先、この人とはやっていけない」と、成田空港に帰還した時点で離婚を決意することだ。これまた死語となった「婚前旅行」や「同棲」なる言葉がまことしやかに用いられていた90年代によく聞かれたものだ。

手に白いマスクを持つビジネスマン
写真=iStock.com/SPmemory
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今回のコロナ禍に、ふとこの言葉を久しぶりに思い出した。人は、平時のときには他人に優しく「いい人」でいられても、ストレスがたまると本性を表しやすい。週に数時間会うぶんには「いい人」を演じられても、四六時中一緒になったり、慣れない状況下でストレスがたまったりしてくると危ない。

「意外とイライラしやすい」
「些細なことで爆発する」
「面倒なことは全部他人任せ」
「こんなに常識のない人だとは思わなかった」

など隠されていた短所が露になるからだ。

そして、その傾向は男女間や、家族間に留まらない。友人関係や、会社関係者、近所づきあいなどの間にも共通していえることだ。