「店長にとって飯のタネとは」
「おまえの飯のタネは、人を育てることだ」。
当時の営業部長の一言を今でも覚えている。マクドナルドの店長に就任したときのことだった。「『店長にとって飯のタネとは』と聞かれ、まごついた。『利益を上げることですかね』と答えたら、返ってきたのがこの言葉でした」。
部長の言う通りだった。バブル崩壊、リーマンショック、3.11。サービス・飲食業界には何度も売り上げ急落の激震が走ったが、マクドナルドは徹底したQSC(クオリティー、サービス、クリンリネス)で生き延びた。お客様、仲間への心遣いと笑顔、“人間力”を磨く育成システムがあったからだと振り返る。
今、サービス業界は二重の試練に遭遇している。コロナ禍による経営難だけではない。経済活動が本格的に再開すれば、深刻な人手不足に直面することになる。だからこそ、どんな人も辞めさせず戦力化する“仕組み”が必要と語る。
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