アルビノの人身売買が行われる闇市
アルビニズムへの偏見はいまだに根深く、サロミさんの父親は彼女のアルビニズムを受け入れられず家を出たそう。「なんで私だけ違うの」とこれまでサロミさんは何度も母に尋ねたという。そのたびに母は「愛のためよ」と答えてきた。
アフリカではアルビノの体が富、幸運、選挙の勝利などをもたらす力があると信じられ、高値で体の一部が闇市場で売買される事件が起きている。そういった呪術などの目的で、手足を狙った襲撃や殺害事件もこれまで多く報告されてきた。そのような事件を耳にするたびにアリスは恐怖を感じる。
一方でサロミさんの一番の悩みは学校の校則だった。指定された半袖の制服は彼女にとって命取りになる。紫外線から身を守るような長袖や帽子の着用が許されていない。自毛が明るい生徒に染髪を強いる日本のブラック校則を思い出す。
6月13日は国際アルビニズム啓発デーだ。これからサロミさんたちが安心して眠れるよう、アルビニズムの人々の人権から暴力や差別の根絶、そして見た目を勝手に決められた校則やルールに当てはめるのではなく、柔軟に個人を尊重できる世界を祈る。