カイロ大は入学式・卒業式も卒論制度はない

日本の「マンモス大学」としては日大が有名だが、それでも在学生は7万人程度。しかし、カイロ大は在学生が約30万人、文学部だけで約2万4000人で、毎年約5000人が卒業する「超マンモス大学」だ。日本の大学では卒業論文を必要とするところも少なくないが、小池氏は自身の著書などで「卒論制度」はなかったとしている。この点について、同大の元幹部は「先生や助手になりたい人がさらに加点するためにリポートを書くことはあるが、それは必須ではない。卒論という制度は当時も今もない」と証言した上で、こう語る。

「大学の卒業を決められるのは大学だけだ。それは都議でも、作家やジャーナリストでも、元同居人でもない。どこの世界にも成功した人への嫉妬はあるものだが、小池氏の卒業を認めることができるのはカイロ大だけであり、大学の卒業生でも関係者でもない元同居人の話ではない」

カイロ大教授「カイロ大の地位を報道で傷つけられた」

小池氏は自民党衆院議員時代、カイロ大学学長の招きで学生らを前にスピーチし、学長が「卒業生」として紹介したことがある。当時、出席していた大学関係者は「小池氏はカイロ大の誇りだ」と感じたという。カイロ大学文学部社会学科のアリ・メッカウイ名誉教授もその1人だ。メッカウイ氏は「小池氏は若くして親元を離れ、異なる文化社会のエジプトで暮らし、熱心に授業に出席していた。その社会に溶け込み、大学を立派に卒業できた小池氏のことを誇りに思う」と語り、こうも続けた。

「なぜ日本では小池氏の卒業だけが不正と考えられるのか理解できない。カイロ大学の歴史と権威、国際的な地位を傷つけられた。エジプトの社会や教育制度のことを何も分からない、分かろうともしない人が批判するのは信じられない」