副交感神経を優位にする入浴の仕方

入浴には免疫力を高める効果があります。日本人ほど入浴の好きな民族はいないといわれますが、入浴は体を清潔に保つ以外にも、体に効く3つの効果があります。

副交感神経を優位にする入浴の仕方
Getty Images=写真

血管を広げ血行を促して疲労を回復する効果。湯の水圧によって疲れやむくみを取る効果。体を支える臀部や太もも、そして脳の緊張をほぐす効果です。40度以下のぬるめのお湯に15分から20分程度、ゆっくりとつかると副交感神経が優位になり、リラックスした気持ちになることができるのです。

冒頭でも述べたように、コルチゾールの分泌を促すストレスほど、免疫系にとって邪魔な存在はありません。そのため、せっかく湯船につかっているのに頭の中が心配事でいっぱいでストレスを感じていては意味がありませんから、入浴剤やアロマなどを利用して、精神的にも弛緩できる工夫をするのもいいでしょう。

ストレスは睡眠にも関係します。先に、ストレスが免疫機能を低下させる仕組みについて説明しましたが、通常、「ストレスホルモン」であるコルチゾールは深夜から朝に向けて分泌量が急増し、起床を促すのですが、日中から夜間にまでストレスを感じていると、コルチゾールの分泌が増えて不眠になったり、睡眠の質が低下します。また、大脳辺縁系の一部で記憶・学習能力に関わる海馬にも悪影響を与えます。

つまり、ストレスを抱えると、免疫力の抑制に加えて睡眠までもが阻害され、二重の意味で免疫力に悪影響を及ぼすことになるのです。