どの程度のビタミンDを取るべきなのか
健康を維持するためには、どの程度のビタミンDを取るべきなのか。厚生労働省の指針などではビタミンDの血中濃度が20ng/mL(50nmol/L)を超える程度あるといいとしていますが、日本人の多くはこの半分以下、10ng/mL程度という人も珍しくありません。私のクリニックに通っている患者さんに週3回、ゴルフに行っている社長さんがいますが、血中濃度は30ng/mL程度。平均的な日本人よりも日に当たる時間が長い人でも、この程度なのです。
ビタミンDは、サケやイワシなどの魚類、卵黄、干しシイタケなどの食品に含まれていますが、摂取できる量はごくわずか。そのため、日光浴によってビタミンDを体内で生成することを基本として、食事やサプリなどで補うとよいでしょう。
私のクリニックでは免疫機能が低下しがちな高齢者には、血中濃度100ng/mL程度を目安にビタミンDのサプリメントを処方しています。
季節や地域によって差はありますが、できれば一日30分の日光浴を習慣づけたいところです。その際には、肌の露出を増やし、なるべく直接紫外線の当たる面積を広くしたほうが効果的です。私自身もなるべく日光浴をするように心がけていますが、忙しくて日中出かけられないときには日焼けマシンを使っています。全身で紫外線を浴びることができますから、忙しい場合には効果的です。
ただし今は幸いにして天候のいい季節です。なるべく外に出て日の光を浴びることが健康的な生活といえるでしょう。
ビタミンDは不溶性で過剰摂取すると別の病気を引き起こしますが、日光浴でビタミンDが過剰に生成されることはありませんから、その点でも安心です。今は外出を控えようという時期ではありますが、外に出て人のいないところへ日を浴びに行く、あるいは自宅でも窓を開けて日の当たる場所にいる時間を意識的につくることをおすすめします。