昭和から令和にかけて、日本の管理職の役割はどのように変わっていったのか。経営共創基盤の木村尚敬氏は、「昭和では部下の意見を取りまとめるのが管理職の仕事だった。だが、2010年代に入った頃から、自分で決めて、仕事の方向性や手法をリードしていくことが求められるようになった」という——。

※本稿は、木村尚敬、柳川範之『管理職失格』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

ビジネスネットワークの概念
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日本の会社の多くは現場の力が強い

【木村尚敬〔経営共創基盤(IGPI)共同経営者マネージングディレクター〕】日本企業における管理職の役割は、この20年ほどで大きく変わったと感じています。かつての部長や課長は、みずから意思決定することがほとんどありませんでした。日本の会社の多くはボトムアップ型で、現場の力が強い。だから下の人たちが正解を持ってきてくれて、上司である管理職は上がってきた内容を見て良し悪しを判断、良ければ承認のハンコを押すだけ、という役割に甘んじていました。

【柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)】確かに「自分で決める」という作業よりは、下の意見を取りまとめたり、調整したりといった仕事が中心だったかもしれません。

【木村】それが2010年代に入った頃から、強い会社ほど管理職が自分で決めて、仕事の方向性や手法をリードしていくことが求められるようになりました。管理職が意思決定することの重要性が、どんどん増してきたという感じでしょうか。