3月下旬から都内では平日の出社を控えるよう要請が出ていたし、4月7日には緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請はさらに強くなった。それにも関わらず、テレワークや時差出勤などの対策を取らない企業は多い。大企業から中小企業まで、数多くの企業でコンサルティングを行う横山信弘さんは、「業績が低迷している企業が抱える組織の病と、緊急事態で対応できない組織の問題点は同じなんです」と指摘する。
思考オフィスでアジアの女性。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

緊急事態宣言が発令されたのに出勤する人たち

「安倍首相が最低でも7割減と言っているのに、まだ出勤する人いるんだ」

ネットニュースのコメント欄に、こんな書き込みを見つけた。

「何を考えているんだろう? クラスターが発生したらどうするんだ」
「もっとはっきり言わないとわかんないのかなァ。自分の命は自分で守らなくちゃいけないのに」

同調する書き込みも散見される。コメント欄を見るかぎりでは、緊急事態宣言を受け、テレワークもせずオフィスに出勤する人はまるで「非常識」な人間だ、と言わんばかり。

しかしこんな状況でもオフィスへ出勤する彼ら彼女らは本当に「常識外れ」なのだろうか。他者視点に欠けた、自己中心的な人たちなのだろうか。

私はそうではない、と思っている。それどころか犠牲者ではないかとまで受け止めている。それはなぜか?