「立皇嗣の礼」が延期となり、園遊会も中止

極めて“異例”な彼女の振る舞いの背景には、今年に入ってから、父親・秋篠宮との話し合いが何回か持たれたことがあるのではないかと、週刊朝日は見ている。

父親や重鎮たちとの話し合いの結果、当初は強い結婚の意思表明が、少し穏当なものになっていったという。

だが、私が推測するに、内容的には「結婚する意志は変わらない」という程度の変更で、結婚へのためらいや、両親の意見に従うといったものではなかったはずだ。

眞子さんは、その文書を秋篠宮の「立皇嗣の礼」の後に出そうと考えていたようだ。ところが、新型コロナウイルス感染が日本でも拡大したため、安倍晋三首相は4月7日、東京など7つの都府県を対象に緊急事態宣言を発表した。

そのために「立皇嗣の礼」は延期、5月の園遊会も中止になり、眞子さんの文書も、しばらくは公表されることはなくなってしまった。

一部の報道では、憲法改正に熱意を示し、女性宮家創設には後ろ向きだった安倍首相に、当時の天皇(現・上皇)が不信感を持っていたため、改正のための時間の余裕をなくすためもあって、「生前退位」をいい出し、それをNHKにリークしたのが秋篠宮だったといわれる。

そのため、安倍首相は秋篠宮に不快感を持ち、「立皇嗣の礼」の簡素化や、いち早く、礼そのものの延期にも賛成したのではないか、と見る向きもあるようだ。

「御進講」の後に文書が発表された

だが、秋篠宮の性格からしても、国民がこれだけ新型コロナウイルス感染の恐怖にさらされている時に、自分の式典を優先して行うなどということは、考えもしないであろう。

新型コロナウイルス感染が全国に広がり、国民の多くが自粛しているが、天皇皇后、上皇上皇后、秋篠宮家の人々も公務を休まれ、ひっそりと暮らしていて、その動向はなかなか伝わってこなかった。

4月10日、尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長による「御進講」の後、天皇がこういう文書を発表した。

「現在,世界各地で新型コロナウイルスが猛威をふるっています。我が国でも,人々の努力と協力により,爆発的な感染がなんとか抑えられてきましたが,このところ東京などを中心に感染拡大の速度が速まってきていることなど事態の深刻化が懸念されております。
医療提供体制のひっ迫が現れ始めていると聞き,先日は,政府による緊急事態宣言も出されました。
この度の感染症の拡大は,人類にとって大きな試練であり,我が国でも数多くの命が危険にさらされたり,多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後,私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら,この感染症を抑え込み,現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」(宮内庁のホームページより)