グループチャットは複数の同僚との会話と同じ

チャットは、上司や同僚との対面上の会話と同じこと。つまり、グループチャットでは、複数名での会話=コミュニケーションなので、複数名が常にその会話に参加しているということを意識する必要があります。これはテレワークでの最低限のビジネスマナーです。

弊社でもグループチャットで仕事を進めていますが、グループ全員で話しているにもかかわらず、すぐに1対1の会話にもっていってしまう人がいます。そうなると、グループチャット内での1対1の会話が、他のメンバー間のコミュニケーションを阻害してしまいます。

また、さらにひどい例では、以前弊社でこんなテレワーカーの問題行動もありました。グループチャットの中で、相手を指名して、『今度ご飯行かない?』のようなセクハラとも受け取れるようなメッセージを、他のメンバーも見ている状態のグループチャット内で送ってしまっていたのです。その社員は上長から厳重注意されました。

ここまで紹介したテレワークにおける問題はどの職場でもつきものです。今のテレワーク勤務の状況が長期化すると、従来通りの働き方とは違うスタイルでの働き方に柔軟に対応できる社員とできない社員の差が明確になり、リストラというさらに深刻な事態が発生する可能性もあります。

履歴が全て記録される環境だからこそ気をつけるべきこと

テレワークに限らず、上司から部下への作業指示は、業務時間内に適正に行う必要があります。例えば、部下が明らかに対応できない業務時間外の深夜に「いまから15分以内に返信しろ」とチャットを送るなんてことは、完全にパワハラ。相手の業務時間を考えずに、独りよがりでチャットを送る行為はNGです。

チャットだと作業依頼した時間が確実に履歴として残ります。場所や時間を問わず可能なオンラインのチャットでの作業指示には、特に気をつける必要があるのです。社員も、業務時間外はおやすみモードを表示させるなど、オンとオフをオンラインでも可視化させておくべきです。

また、これは実際に私の会社であった話です。社内のやり取りで、あるタスクを振った社員がいました。彼に任せていた仕事の進捗が返ってこないので、連絡しようと思って過去のチャット履歴をさかのぼったところ、自分が不利になりそうなチャットを消していたんです。

その件を改めて本人に連絡したところ「なんのことですか?」としらばっくれる始末。その後、音信不通になってしまいました。何回か連絡を試みたものの向こうからは連絡もなく、書類を住所に送っても返送されなかったため、退職処理をしました。

ほとんどのチャットツールは社内で履歴をとることができます。そのため、あとでその内容を消去しても、すぐにバレるのです。つまり、普段は口頭でやり取りしていた内容も、デジタルにすべての記録が残るテレワークの方が、確実に不正は可視化されやすいといえます。