自粛生活が長くなり、苦しさを感じる人も多いのではないでしょうか。それでも自粛を続けられる人とそうでない人は何が違うのでしょうか。また、ウィズコロナ時代に学習の1つの大きな選択肢になる「オンライン講義」を最後までやり通せる人は何が違うのでしょう。脳科学の研究をひもときます。
タブレット端末を使用して仕事する女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/FangXiaNuo)

働き方や教育が大きく変わる

アフターコロナ、ウィズコロナ、という言葉を目にするようになってきました。私たちは、生活のあり方のみならず、働き方や教育のあり方が大きく変わるかもしれないという時に直面しています。自粛生活の継続を促され、可能な限りでの在宅リモートワーク、大学ではオンライン講義が始まり、子供たちも家で懸命に頑張っています。一方で、この生活を続けることへの苦しさも感じています。今の生活を続ける努力をあとどのくらいしなければいけないのか、今はまだ誰にもわかりません。

一方、コロナ禍でわれわれに必要とされている、自粛生活などをやり抜く力に関して、これまでにわかっていることもあります。

「Grit やり抜く力」を持つ人は約半数

果たして私たちは、この自粛生活をやり抜けるのか? と、多くの人が思っていることでしょう。このような状況下でもレジャーを求め、自粛継続ができない人が増えてくるのではないか、と不安を抱いている人も多いはずです。

近年注目を浴びている「Grit やり抜く力」は、すべての物事における成功に必要な因子と言われています。ところが実際は、ダイエット、禁煙、トレーニング、勉強などさまざまな目標に対して、約半数の人は最後までやり抜くことができず途中挫折してしまうことが、いくつもの研究から報告されています。つまり、目標達成まで努力を続ける「やり抜く力」をもっている人は約半数程度、というのです。コロナ禍の自粛生活については、“いつまで、どうなるまで現状を続けるのか?”という具体的なゴールの数値目標が明確ではない分、通常より、より難しい「やり抜く力」を求められていると言わざるを得ません。