ホームスクーリングで社会性は育つのか?
ホームスクーリングのデメリットとしてよく挙げられるのが「社会性」の発達です。家庭という限られた環境で、家族という限られた人と過ごすだけでは、子どもの「社会性」が十分に育たないのではないかという不安です。
社会性というのは、周りの人と良好な人間関係を構築できる力であり、社会生活を楽しく、快適にするために欠かせない資質です。この資質は集団社会の中でもまれることで育つと思っている方が多いのですが、実は、社会性の土台は「親子関係」によって構築されます。
子どもにとって初めて出会う他人である「親」との関係が良好になると、親以外の人ともいい関係が作れるようになります。反対に親子の信頼関係が希薄だと、他人や社会に対する不信感が払拭できず、子どもが警戒的、内向的、攻撃的な性格に育つことがあるので注意してください。
「父親の関与が子どもの社会性を伸ばす」という研究結果
また、子どもの社会性の発達にとって重要なのが父親の関与です。子どもは父親との荒っぽい「遊び」を通して、どこまでの乱暴な行動が許されるのかを、父親の表情や言動から読み取る力を発達させると考えられています。
一人っ子が増えた今は、兄弟姉妹のぶつかり合いで社会性を身につけていくことが少なくなりましたから、子どもの遊び相手として父親の重要性が増しています。外出自粛で父親が家庭で過ごす時間が増えています。父親は「子どもと思い切り遊ぶチャンス」と思考を転換してみてください。
イギリスのニューキャッスル大学が行った研究によって、成長期に父親と多くの時間を過ごした子どもほど、知能指数が高く、社交性があり、地位の高いキャリアを達成することがわかっています。
カナダの心理学者ダニエル・パケット博士は、父親と活発な遊びを多く経験した子どもは、不慣れな環境においても果敢にチャレンジしていく傾向が強いという報告しています。父親が子どもと遊ぶことは、子どもの知能、社会性、環境適応力の発達にとっていいことばかりなのです。