「やむを得ない出勤」はある程度認められる
企業が取り組める回避措置として忘れてはいけないのが、不要不急の出勤を減らすことだろう。冒頭に紹介したように、テレワークなどを導入して出勤者を7割以上減らした大企業は、いまだ半数にとどまっている。
「業務上の必要性は、回避措置を尽くしたかどうかを判断するときのファクターの一つになりえます。例えばオンラインで済む会議のためにわざわざ出社させて、その結果、職場で新型コロナに罹患したら、回避措置が十分ではなかったと判断されるおそれがあります。
一方、業務に出勤の必要性があれば、出勤させること自体に問題はありません。普段はオンラインで会議をしていても、議題の機密性が高いときなど、出社してもらわないといけないケースはあるでしょう。やむを得ないときに出勤させても、回避措置を尽くしていないとは判断されにくい。むしろ普段はリモートに移行していることを評価されるでしょう。できる範囲でやっていけばいい」
重要なのは、できる対策を一つひとつ積み上げていくことだろう。出勤を減らすのも、その一つ。その会議はリアルで対面しなければいけないのか。そのハンコは慣例で押しているだけで、なくしても誰も困らないのではないか。改めて見直してムダな出勤をなくすことが、従業員の健康を守ると同時に、万が一のときに会社を守ることにもなる。