世界を動かすビジネスエリートのなかで「デザインスクール」の出身者が増えている。デザインスクール出身で、Takramディレクター・ビジネスデザイナーの佐々木康裕さんは「MBAで学ぶ論理思考や戦略思考は、長らく重宝されてきた。しかしそれでは差別化ができなくなっている」という――。

※本稿は、佐々木康裕『感性思考 デザインスクールで学ぶMBAより論理思考より大切なスキル』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

アジアにおける指導とMBAの研究
写真=iStock.com/Drazen_
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論理や戦略に"プラスアルファ"が求められている

「『正解』がある問題に答えることだけが得意な優等生タイプで、社会に出て苦労している」
「昔は『正解』を出せばよかった。今はもうすでに『正解』が出し尽くされている」
「このまま目の前の課題を解決するだけの『カイゼン思考』を続けていてよいのだろうか」

日々の仕事で生み出すアウトプットに対して、何か物足りなさを感じている人は多いように思います。まだ日本が成熟された社会になる前は、「正解」を出せることがビジネスパーソンとしての評価につながりました。

目の前に解くべき問題が山積しており、その問題に対してロジカルに取り組むことで、「正解」をクリアに導き出すことが可能でした。だからこそ、ビジネススクールのMBAプログラムで学ぶような論理思考や戦略思考は、誰もが「正解」を出せるメソッドであることから、長らく重宝されてきました。