抱き合わせに値下げと必死…
貸店舗の期間は残り2日。マスク需要にすがりつくも、在庫が残ってしまう事態に直面していた。とある韓流ショップでも「23日の木曜までは、256個も売れてたのに、今日は4つしか売れていない」と、マスクの売上数の記録を見ながらその差に落胆していた。
大久保通りを一周してみると、供給過多の予兆さえ感じる。需要のピークは過ぎたのだろうか。どの店も購入個数に制限はなく、なかにはフェイスパックのプレゼント付きとアピールする店や、1箱3600円から3000円に値下げをしている店があった。だが、マスク販売はもはや商売のためだけはないようだ。
店の入り口に「マスクあります」と手書きの張り紙を掲示する韓国料理店。いわく2日前からマスク販売を始めた。だが、店員の韓国人の男性は「これで利益を出そうとしているわけじゃないよ。欲しい人がいるから販売している」と話す。
コスメショップ「マスクの利益はほぼないです」
とある韓国コスメショップ店では天井近くまでマスクを積み上げ、人目をひいている。しかし責任者である日本人男性も「利益はほぼない」と話す。
「みんなマスクがなくて困っているじゃない? 仕入先から『1箱4500円にして店頭で売っていいよ』って言われたんだけど、3500円にしている。利益は1個あたり100円か200円くらいで、ほぼないよ。気持ちとしてはもっと安くしたいくらい。でも安すぎると転売されるかもしれないから。今はネットで3200円くらいみたいだし、相場を調べて値段決めているよ」
コスメショップの男性は、マスクを手に取りながら入荷までの苦労を語ってくれた。
「中国製なんだけど、検査証もついてるからね。本当は日本製を入荷したかったけど、選べる立場じゃなかった。2月から探してはいたんだけど、全然手に入らなくてね。何十年も付き合っている問屋にお願いしたら、最低注文700万円からって言われちゃってさ。さすがにキツイから頭下げて交渉して、もうちょっと注文数を減らしてもらって、やっと入荷したんだ」