海外一人旅は、エアチケットを取るだけでいい
僕の糧になっているのは、大企業に勤めていた時代に夏と冬の2回、それぞれ2週間くらいの休みを取って世界1200以上の都市を一人旅したことです。
海外旅行も難しく考える必要はありません。心に引っかかったものがどこかの国にあるなら、熱が冷めないうちにエアチケットを取るだけでいい。
たとえば、ロンドンで地下鉄を待っている時に、ぼんやり壁を眺めていたら「ダビデの生まれた町に行こう」というポスターを目にしました。それがすごくカッコよくて、すぐにイスラエルのテルアビブ行きの格安航空券を買いました。
行く前からイスラエルへの出国審査が厳しいことは知っていました。しかしヒースロー空港に着くと、「何のために行くのか」「ポスターはどこに貼ってあったんだ」「イスラエルに友達はいるのか」など、審査官から想像以上の質問攻めにあいました。
やれやれ済んだと思ったら、パスポートを隣の審査官にわたされ、またゼロから同様のことを聞かれて2時間近く……。搭乗にこれほど難儀したのははじめてでしたが、イスラエルに行くための出国審査が厳しいことを、身をもって知ることができました。予期せぬハプニングやトラブルも旅の醍醐味です。それはそれで学びになるし楽しめばいい。何より対応力が培われます。
1つ目的を決めたら、あとはノープランの理由
海外を旅する場合、1つ目的を決めたなら、あとは原則としてノープランです。友達を訪ねることもありますが、基本的に予定は決めません。スケジュールを組んでしまうと現地でどんな面白いことがあっても対応できず、もったいないからです。
宿も到着した日と帰りの日くらいしか予約しません。飛び込みでも一人あるいは家族ならたいてい泊まれるので現地をぶらぶら歩きながら、雰囲気がよさそうなホテルに入ります。食事も楽しみのひとつですが、事前に行く店を調べたり決めたりすることはほとんどありません。
おいしい店はホテルのフロントで聞けば紹介してくれますし、聞かなくても現地の人がいっぱい入っている繁盛店ならまちがいないと僕は感じています。
ぶらぶら歩きまわるにはひたすら身軽が理想です。荷物ほど邪魔なものはありません。僕はいつもリュックか機内持ち込みできるトランク1つしか持って行きませんが、極端なことをいえばパスポートとクレジットカードと2日分の下着さえあればそれでいい。先進国でなくても空港で買えないものはないですし、下着も毎晩洗えば2枚で足りますよね。