「推し」を他者に伝えられる人間は強い
私は2014年からブログで好きなビデオゲームを推し続け、そのブログが2500万回も読まれたことで、「あなたの推しを話してほしい」という依頼を民放ラジオや大手メディアからいただいています。自分が好きなものについて、客観的にどう素晴らしくて、何がそんなに人を惹き付けるのか説明する技術を売るだけで、食べていくこともできています。
国民の80%がスマートフォンを持つ現代、ネットの普及と同時にその限界も露呈してきました。でも、そんなヘイトやデマの蔓延する今だからこそ、私たちはネットで人とつながり、「好き」を積極的に共有できれば、それはとてもヘルシーなことだと思うのです。
何より、「好き」ほど生産的な情報はありません。
情報が溢れる現代だからこそ、本当に自分にとって必要なものを、他者に伝わる言葉で語れる人間、つまり「推せる人間」は強いのです。
YouTube、Twitter、Facebook、日常生活でさえ、推しの技術は役に立ちます。自分の推しを的確に言語化し、客観的にわかりやすく伝えられる人間は、どこでも唯一無二の情報源(ソース)として信頼されるからです。
「3年目までに累計1000万PV」と目標を立てた
私が、大好きなゲームを論じるために作ったブログ「ゲーマー日日新聞」ですが、初期はとにかく苦戦の連続でした。なんといっても、まず誰も読んでくれないのです。
ブログを作った2014年当時、既にブログブームという言葉は古いものになりつつあり、YouTubeで動画を投稿するYouTuberやSNSで活動するインフルエンサーと呼ばれる存在のほうが注目を浴びていた時代。今さら、なんの肩書もない素人のブログを読んでくれる人はほとんどいません。
そこでまず、私は明確な目標を立てました。それは「自分が好きなゲームを推し、それを周囲の人に知ってもらう」こと。さらに具体的な目標として、3年目までに累計1000万回読まれるということ。そもそも目標もなく始めたから進むべき道がわかっていなかったことを反省し、ゲームを推すという緩やかな目標と、1000万回は読んでもらうという具体的な目標の二つを同時に立て、これを達成するために工夫をこらしました。
その工夫というのは、主に「アツく、冷静に」「複雑に、わかりやすく」「好きだからこそ、忖度なく」推しの魅力を伝えるということ。一見矛盾しているようですが、実はすべて説得力のある推しに必要なものです。