他人を変えることはできない

コロナウイルスは目に見えず、現状有効な対策もないために恐怖感だけが募ります。このストレスは非常に大きいものです。自分は外出も控え、買いだめもせず、手洗い・マスク着用など細心の注意をしているのにどうしてあの人は……、と相手や周りのことが気になり出して、冷静な判断ができなくなる。どんどん深みにはまり、悪いことばかり思い浮かんでどうすればよいのかわからない。負のスパイラルに陥っている人もいるかもしれません。

そんなときはどうすればいいでしょう?

相手にわかってもらうため努力する?

残念ながら、他人を変えることはできません。自分の考え方を変えるしかないのです。

ストレスのもとになる3つの思考タイプ

私は「認知行動療法」という心理療法を活用しているカウンセラーです。

認知行動療法は、ストレスになる状況を作り出す否定的な考え方やモノの見方(認知)に自らが気付き、それを修正し、バランスのよい考え方を身につけていく療法です。日本の厚生労働省でも効果的であると認められ、うつ病、パニック障害、薬物・アルコールなどの依存症、摂食障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)をはじめとする心の病気にも有効とされています。

そもそも、悩みやストレスのもとになっているのは自分の考え方です。その考え方の傾向(思考タイプ)は大きく分けて3つあります。

「自分否定」「他人否定」「世の中否定」の3つです。それは「考え方のクセ」とも言い換えられます。

・不要不急の外出は控えるように言われているのに外出すると公言している人
・電車の中でマスクもしないで大声でしゃべっている人
・家族以外との接触は極力減らしているのに、子どもを家にあげて遊ばせるママ友

例えば、以上のような人を見かけたときにどう感じるか。

・そういった言動を取る人が周りにいる、視界に入ることで「自分は運が悪い」と思う→「自分否定タイプ
・どうして危機感を持って行動できない人がいるのかとイライラする
→「他人否定タイプ
・こうなったのは政府が中途半端な政策をしているせいだ! と政府や社会に対して憤りを感じる
→「世の中否定タイプ

冒頭のネット掲示板等で書き込みをしている人たちは「他人否定タイプ」にあたります。