図3:時間管理のマトリックス どんぶり男の場合(理想の状態)
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図3:時間管理のマトリックス どんぶり男の場合(理想の状態)

竹村氏のアドバイスをもとに自分の時間管理マトリックスを図3に戻すべく仕事の進め方を変えてみることにした。具体的にはフランクリン社が発行している手帳を使ってみた。80ページの写真を見ていただきたいが、手帳左部分にあるタスクリストに仕事を書き込み、さらにABCなどと優先順位をつける。Aは主に第II領域で最重要、Bは中度、Cは低いといった具合。さらに完了したものにチェック、先送りに、削除に×、進行中は●、などと記入していく。

絶対にやらなくてはならない仕事(第II領域)を早めに書き出すことにより、自分の中の仕事の優先順位は何か、絶えず確認できるのである。

例えば今回の仕事で時間がかかったのが日本の翻訳権がどこにあるのか探すことだった。最初何度か、元の版元である早川書房に連絡をとっていたのだが、何度電話しても「2~3日待ってくれ」とラチがあかなかった。しかし手帳に最重要課題としてずっと残っていたので忘れずにこまめに連絡をすることにした。

しかしそれでもはっきりしなかったので、今度は翻訳に詳しい編集者に聞いてみると、日本での版権管理をしている会社に直接調べてもらうのが早いということがわかった。問い合わせると、版権が空いていることがすぐにわかり、翌日には契約を済ませることができた。

このように手帳に第II領域の仕事を書き込むことにより、自分に仕事の優先順位を徹底的に植えつけることが、大事なことなのである。

余計な人材を抱えられないいまの企業のマネジャークラスは、部下の指導だけでなく、さらに自分も仕事を抱えるといったプレーングマネジャーの役割が求められているはずだ。するとどうしても部下の相談や目の前の仕事の処理に追われる。それが終わって自分の仕事をやろうとするともう夜中だという人も多いことだろう。そういうときにこそ、この手帳や時間管理マトリックスを使って自分にとっての第II領域を確認し、空いた時間で少しでも消化するのだ。すると第I領域の仕事が少しずつ減り、仕事に追われるストレスから解放される。ここが時間管理マトリックスのマジックなのだ。

※肩書きなどはすべて2004年当時

(図版作成=吉田華枝)